よくある質問
フォーラムに寄せられた質問と回答を整理した FAQ です。参考情報として掲載しており、事務局が確認したものから「確定」に更新します。
葦などの植生群をセルごとに密生度と高さで与える場合、樹木の抵抗係数 Cd はどう考えればよいですか?既定値の 0.7 には根拠がありますか?Nays2DH理論 → Academy植生抵抗係数粗度係数参考
葦のような植生は流れによって倒伏するため、抵抗係数 Cd と密生度で表現するより、マニングの粗度係数として考慮するほうが適切とされています。倒伏しない円柱状の樹木として扱う場合は、ソルバーマニュアルの参考文献、水理公式集、河道計画の手引きなどを参照して Cd を決める必要があります。既定値の 0.7 は過去の水理実験に基づく値で、これらの文献のいずれかに由来すると考えられます。植生抵抗の理論的背景は iRIC Academy で解説されています。
CSV 出力に含まれる「Vorticity (s-1)」は何を表していますか?二次流と関係がありますか?Nays2DH理論 → Academy出力渦度CSV参考
Vorticity(渦度)は平面二次元の流速ベクトルから計算される回転の強さを表す量で、時計回りの回転が負、反時計回りが正になります。二次流(断面内の螺旋流)とは別のものです。値が大きい場所ほど平面的な渦運動が強いことを示し、例えばカルマン渦の計算例では渦の発生を可視化するのに使われます。渦度や二次流の理論的背景は iRIC Academy で学ぶことができます。
左岸の一部の河床高を下げて、格子の側方(岸側)から派川へ自由流出させる計算はできますか?Nays2DH境界条件自由流出Nays2DFlood参考
Nays2DH では、格子の左右岸側の境界からの自由流出は扱えません。側壁を自由流出にしたい場合は Nays2DFlood を使う方法があります。Nays2DFlood では境界条件で側壁を自由流出に設定できます。流れの計算のみであれば両ソルバーの扱いはほぼ同じなので、河床変動を伴わない流況解析なら Nays2DFlood で試してみてください。
riv ファイルに変換する前の横断測量 CSV(国土交通省フォーマット)の 1 行目にある水際杭高や堤防法尻高などの値は、低水路・高水敷の設定に使われますか?山地河川で低水路・高水敷がない場合はどうすればよいですか?Nays2DH横断データrivファイル地形データ参考
iRIC の riv 変換では、国土交通省フォーマット横断データの 1 行目のうち 断面番号のみ を使用し、水際杭高・堤防法尻高・堤内地平均などの値は無視されます。したがって、それらの値が低水路・高水敷の設定に反映されることはありません。低水路と高水敷を区分する値の入力も不要で、1 行目には測点数があれば十分です。急峻な山地河川などで低水路・高水敷の区分がない場合も、特別な設定をせずにそのまま使用できます。
iRIC で作成した格子を GIS(ArcGIS や QGIS)で使いたいのですが、シェープファイルとして出力できますか?Nays2DH格子エクスポートGISCSV参考
格子をシェープファイルとして直接出力する機能はありませんが、格子と格子属性を CSV 形式でエクスポートして GIS に取り込む方法があります。手順は次のとおりです。
- オブジェクトブラウザーの「格子」を右クリック
- 「エクスポート」を選択
- ファイルの種類で「iRIC 格子 CSV」を選ぶ
- 保存する
出力された CSV には格子点座標と属性が含まれるので、QGIS などで CSV を点データとして読み込み、必要に応じてシェープファイルに変換してください。
計算結果の縦断方向・横断方向の水位などの数値を、画像ではなく数値データとして出力するにはどうすればよいですか?Nays2DH出力CSVグラフウィンドウ水位参考
グラフウィンドウの CSV エクスポート機能を使います。手順は次のとおりです。
- グラフウィンドウを開き、縦断図なら X 軸に
I、横断図なら X 軸にJを指定して描画します。 - 対象とする断面を調整します(縦断図なら J の値、横断図なら I の値を指定)。
- グラフウィンドウ右下の「CSVエクスポート」をクリックして保存します。
出力された CSV には、指定した時刻・断面の格子点ごとの値が含まれるので、表計算ソフトなどでプロットや平均値の算出ができます。詳細は iRIC GUI ユーザーマニュアルの「グラフウィンドウ」の項に記載されています。
「河川測量データから生成」で格子を作る際、低水路の中心線を航空写真どおりに置くと格子が歪んで計算が止まります。中心線を河道中央に置いても結果に影響はありませんか?Nays2DH格子格子生成アルゴリズム河川測量データ計算の発散参考
「河川測量データから生成」アルゴリズムでは、中心線の位置に応じて測線間の補間が行われるため、中心線を変えると生成される格子が変わり、当然ながら計算結果も変わります。ただし「正しい中心線」というものは存在せず、横断測量データは測線間の情報が欠けているため、利用できる測量データと現地状況を踏まえて位置を決めていくしかありません。
横断測量データを地形データとして使う場合でも、必ず「河川測量データから生成」を使う必要はなく、「折れ線と格子幅から生成」など他の格子生成アルゴリズムも利用できます。格子作成にはやや試行錯誤が必要なので、複数のアルゴリズムを試して、隣接格子のサイズ差が小さく計算が安定する格子を作ることを推奨します。
解析範囲より上流から流水とともに流下してくる土砂の供給量を Nays2DH で考慮できますか?できる場合、設定方法を教えてください。Nays2DH土砂供給河床変動上流端計算条件参考
Nays2DH の上流端の土砂供給は、基本的に動的平衡状態(上流端断面の平衡流砂量と同じ量の土砂が供給される)として扱われます。そのうえで、計算条件で平衡流砂量に対する供給土砂量の割合を設定でき、この値を調整することで供給量を増減させることができます(ソルバーマニュアルの該当項を参照)。
一方、上流端から供給される土砂の粒径を直接指定する機能は現状ありません。粒径を変えたい場合は、上流端付近の計算格子だけ粒度分布を変えることで近似的に考慮できる可能性があります。
上流端に近い横断面で、水位と流速がでこぼこした分布になります。蛇行による遠心力の影響ですか?Nays2DH上流端境界条件計算の不安定水位参考
水面の凸凹と遠心力には関係ありません。上流端付近で発生している場合、計算が不安定になる条件、特に上流端条件が厳しい可能性があります。
Nays2DH の上流端条件は「等流」などから選択できますが、等流以外を選んでも概ね等流を想定した扱いになります。そのため、次の点を確認してください。
- 上流端の位置が、等流条件から大きくかけ離れた場所(急な断面変化や湾曲部など)になっていないか
- 上流端付近の河床が逆勾配になっていないか
該当する場合は、上流端の位置をより等流に近い区間へ移す、あるいは地形を見直すことで改善する可能性があります。
計算を実行するとソルバーコンソールに「Given Downstream Water Surface is below Bed」と表示されて計算が進みません。どう対処すればよいですか?Nays2DHエラー下流端水位境界条件参考
このメッセージは、設定した下流端水位が下流端の河床高より低いことを示しています。下流端水位は、下流端断面の河床高よりも高い値にする必要があります。
計算条件の境界条件で下流端水位の設定(一定値または時系列)を見直し、河床高を上回る値に修正してください。時系列で与えている場合は、全時刻で河床高を下回っていないかを確認してください。
水位が横断測量の端点より高くなった場合、Nays2DH では計算領域の外側はどのように扱われますか?Nays2DH理論 → Academy境界条件左右岸格子範囲参考
Nays2DH は平面二次元モデルで、格子の左右岸境界はスリップ条件として扱われます。計算領域内の左右岸境界セルの水位が、計算領域の外側にもそのまま続いているという想定です。
したがって、水位が横断端点より上がった場合に領域外へ水が広がる計算は行われません。そのような状況が想定される場合は、格子の範囲を十分に広く取る必要があります。境界条件の理論的な背景については iRIC Academy で解説しています。
iRIC をインストールして新しいプロジェクトを開くと、画面に赤い水平線が何本も表示されます。どうすれば直りますか?Nays2DHインストール表示不具合グラフィックドライバ参考
グラフィックボードのドライバが原因である可能性があります。同様の症状が、ドライバを最新版に更新することで解決した事例があります。
その事例では Intel のオンボードグラフィックスを使用しており、Windows Update ではなく Intel の更新ツールで最新版(ベータ版)を検索・適用したところ解消しました。まずはお使いの GPU メーカーのツールでドライバを最新化して確認してください。
計算結果の流速の x 成分・y 成分を、可視化ウィンドウでそれぞれ表示できますか?Nays2DH可視化流速属性ブラウザ出力参考
流速の x 成分・y 成分をコンターとして可視化することはできません。値を確認したい場合は、次のいずれかの方法があります。
- CSV に出力して、成分ごとの値を確認する。
- 計算結果の可視化ウィンドウで、オブジェクトブラウザの「スカラー(格子点)」を右クリックし、「属性ブラウザの表示」を選びます。属性ブラウザが表示された状態でコンター上にカーソルを合わせると、その点の計算結果の値(x・y 方向の流速を含む)が数値で表示されます。
Nays2DH で、河川の途中から側方に水を抜く(排水路などへ流出させる)条件は設定できますか?Nays2DH境界条件側方流出ソルバー選択参考
Nays2DH では、計算領域の途中から意図的に水が抜けるような条件は設定できません。
途中での流出・流入を扱いたい場合は、Nays2DFlood であればポンプなどの設定で対応できる可能性があります。ただし具体的な計算内容によって適否は変わるため、目的に応じてソルバーの選択を検討してください。
Nays2DH で支川の合流点を複数設定することはできますか?Nays2DH合流格子支川参考
合流点は 1 つのみ作成でき、複数の合流点は設定できません。
合流点を含む格子の作成から計算までの手順については、iRIC の解説動画が公開されているので参考にしてください。
点群から格子への標高マッピングで、テンプレートマッピングと TIN マッピングの結果が全く同じになります。テンプレートマッピングが無効になっているのでしょうか?Nays2DH属性マッピング点群TIN格子参考
テンプレートマッピングが無効になっているわけではありません。開発側でソースを確認し、実際に点群をインポートして TIN マッピングとテンプレートマッピングを切り替えたところ、結果に違いが生じることが確認されています。
両者で大きな違いが出るのは、点群の分布が不均一な場合、たとえば横断方向には密でも縦断方向にはまばらにしか点がない場合などです。レーザー測量などで取得した、縦横どちらの方向にも十分な密度がある点群では、どちらの手法でもほぼ同じ結果になることがあります。点群の密度が高い場合は、結果が一致していても異常ではありません。
低水路と高水敷の境界など地形変化の激しい場所だけ格子を細かくしたいのですが、良い編集方法はありますか?Nays2DH格子格子編集汎用格子生成ツール参考
方法は 2 つあります。
- 生成した格子の格子点座標は iRIC 上で直接編集できるので、背景図を見ながら格子点を移動させて局所的に密にすることができます。
- 「折れ線と格子幅から生成」ではなく「汎用格子生成ツール」を使うと、区間ごとに分割数や間隔を細かく制御できるため、うまく切れる可能性があります。このツールは機能が多いので、実際に使いながら機能を確認してみてください。
点群を複数ファイルに分割してインポートすると、TIN からの属性マッピングがうまくいきません。原因は何ですか?Nays2DH属性マッピングTIN点群インポート参考
現状の仕様が原因である可能性が高いです。
- 点群から作成される TIN は、点群データセットごと(読み込んだファイルごと)に個別に作成されます。
- マッピングはオブジェクトブラウザの下側にあるデータから順に上書きされ、最も上側のデータが優先されます。
そのため、分割した点群同士が上空から見て重なっていると、意図したマッピングになりません。点群データを 1 つのファイルにまとめてから再度読み込むと、想定どおりにマッピングできるはずです。なお、この仕様は開発側でも問題と認識されており、将来のバージョンで改良される予定です。
長時間の河床変動計算で CPU の稼働が途中で止まり、ホットスタートで一時ファイルから再開してもすぐに計算が失敗します。何を変えればよいですか?Nays2DHホットスタート並列計算計算が止まる河床変動参考
並列計算で長時間の計算を行うと、エラーメッセージが出ないまま CPU 稼働が途中で 0 になって止まることがあります。その場合は、計算条件の並列化に関する設定で CPU 数を 1(並列計算しない)にすると解決する可能性があります。
並列化を外しても改善しない場合は、タイムステップや格子サイズなど計算の安定性に関わる条件も合わせて見直してください。
上流端で流量が極端に低い部分だけ、あるいは高水敷を含む全幅に与えられてしまいます。流量を与える低水路の幅を指定できますか?Nays2DH上流端流量境界条件構造物参考
上流端では等流計算が行われ、設定した流量が流れるような範囲に自動的に流れが与えられます。そのため、基本的には計算上妥当な範囲に流量が配分されていると考えてください。幅を直接指定する設定はありません。
強制的に狭い範囲だけに流れを与えたい場合は、上流端の流したくない部分のセルに構造物(障害物)を設定する方法があります。構造物を設定したセルには流れが発生しなくなるため、実質的に流入幅を制限できます。
Nays2DH の計算結果から、ある地点から別の地点までの流下時間を求める機能はありますか?Nays2DH可視化パーティクル出力間隔流下時間参考
流下時間を直接計測する機能は Nays2DH にはありません。代わりに、可視化ウィンドウでパーティクル(粒子)を投入し、上流から下流へ到達するまでの時間を追う方法があります。パーティクルの投入位置は格子点上であれば任意に指定できるため、任意の2点間の流下時間の目安として利用できます。ただし、計算結果の出力間隔が大きすぎるとパーティクルの追跡がうまくいかない場合があるため、出力間隔を小さめに設定してから試すことをおすすめします。
初期水面形の設定で「等流計算」と「不等流計算」が選べますが、実河川で等流計算を使う場面はありますか?Nays2DH初期条件初期水面形等流計算計算の発散参考
実河川のように川幅や勾配が場所ごとに変わる場合、基本的には不等流計算が適しています。ただし Nays2DH の不等流計算は、断面形が複雑な場合や常流・射流が混在する場合に耐えられるほど頑健には作られていません。そのため、不等流計算で初期水面形をうまく作れない場合や、計算開始直後に発散してしまう場合には、いったん等流計算で初期条件を与え、その影響が消えるまで慣らし計算を行うという方法が用意されています。等流計算は初期条件のためのものなので、全断面で計算開始時と同じ流量を用いて等流水深を求めています。
Nays2DH の計算が CPU をあまり使わず時間がかかります。複数コアで並列計算する設定はありますか?Nays2DH並列計算計算速度計算条件スレッド数参考
Nays2DH は OpenMP で並列化されており、複数コアを使って計算できます。設定手順は次のとおりです。
- 計算条件の設定でソルバータイプを「アドバンス(Advanced)」にする
- 「+その他(Others)」のグループを開く
- 「並列計算のスレッド数」に使用するコア数を入力する
なお、PC の最大コア数を指定しても最速になるとは限りません。計算規模によって適切なスレッド数は異なるため、いくつか試して比較することをおすすめします。
長時間の計算中に、エラーも出ないまま計算が進まなくなり、中止も保存もできず強制終了するしかありません。原因と対策はありますか?Nays2DH対応版: iRIC 3.x計算が止まる並列計算トラブルシューティングプロジェクト保存参考
エラー表示なしにソルバーが止まったように見えて実際には進まない現象は、複数の CPU コアを使った並列計算で発生することが報告されています。この状態になるとプロジェクトファイルが壊れてしまい、途中までの結果を読み込めないことがあります。可能であれば、並列計算のスレッド数を 1 にして単一コアで実行してみてください。また、ウイルス対策ソフトの干渉やディスク容量不足など、実行環境に起因する場合もあることが分かっており、すべてのケースが解決できているわけではありません。長期間の計算では、こまめにプロジェクトを保存しておくことも有効です。
横断面ウィンドウの横断図上に、格子点(計算点)の位置を表示することはできますか?Nays2DH格子横断面ウィンドウ格子生成プリプロセッサ参考
できます。格子生成アルゴリズムとして「横断測量データから生成」を使う場合は、次の手順で横断面ウィンドウ上に格子点の生成位置が黄色い四角で表示されます。
- 河川測量データをインポートする
- 横断面ウィンドウを開く
- オブジェクトブラウザで「格子生成条件」を選び、右クリックメニューから「格子生成アルゴリズムの選択」を選ぶ
- 「横断測量データから生成」を選択して OK を押す
格子点の位置が表示されるのは、プリプロセッサで「格子生成条件」が選択されている間だけで、それ以外のときは標高点が赤い点で表示されます。
他のアルゴリズムで生成した格子の横断形状を確認したい場合は、格子生成後にオブジェクトブラウザで「格子」→「格子形状」を選び、確認したい位置の格子点をクリックして選択し、右クリックメニューの「横断面ウィンドウを開く」を選ぶと、その点を含む横断線の形状が表示されます。
河床変動計算で、固定床や全く堆積していない箇所でも平均粒径(MeanDiameter)が変化するのはなぜですか?Nays2DH河床変動固定床平均粒径出力参考
全く堆積していない固定床では本来「平均粒径」という概念がありませんが、Nays2DH ではその値をゼロにせず、設定した粗度に対応する粗度高さのような値を出力しています。そのため固定床部分でも 0 以外の平均粒径が表示されます。また、ごくわずかでも堆積が生じている場合は粒径の計算が行われるため、時間的に値が変化しているように見える可能性があります。値が時間的に変化しているかどうかを確認し、微小な堆積の有無と合わせて判断してください。
下流端水位の境界条件で「等流計算」と「自由流出」はどう違い、どう使い分ければよいですか?Nays2DH境界条件下流端水位等流計算自由流出参考
「等流計算」を選ぶと、上流端で与えた各時刻の流量と下流端断面の標高データから等流計算を行い、河床高と等流水深の和を下流端水位として与えます。「自由流出」は、下流端のひとつ上流側の断面の水位を下流端にコピーし、それを境界条件として計算する方式です。
使い分けの目安として、等流水深は上流端の流量に対応して決まるため、河川延長が長い場合には上流の流量変化が下流に伝わる前に下流端水位だけが先に変化してしまうことがあります。そのような場合は自由流出も選択肢になります。なお、河川延長が比較的短いケースでは両者でほとんど同じ水位になるという報告もあります。
流速や水深が特定の範囲にある部分の面積を iRIC 上で計算する機能はありますか?Nays2DH出力後処理面積計算CSV参考
現状の iRIC には、流速や水深が指定範囲にあるセルの面積を集計する機能はありません。計算結果を CSV などにエクスポートし、別途プログラムを組んで集計する必要があります。参考として、Nays2DH の Python 版の解説とソースコードが iRIC のサイト(i-ric.org/yasu/nbook2/)で公開されているので、コード内で面積計算を行いたい場合はこれを適宜変更して利用する方法もあります。
Nays2DH の河床変動計算結果から浮遊砂量を出力して観測値と比較できますか?Nays2DH浮遊砂出力後処理河床変動参考
浮遊砂量そのものを直接出力する項目はありませんが、浮遊砂濃度・流速・水深は結果として出力されています。これらとメッシュ(格子)の幅を掛け合わせれば浮遊砂量を求めることができるので、計算結果をエクスポートして別途計算する方法を検討してください。
背景画像(インターネット)で Open Street Map や国土地理院の地図が表示されなくなりました。どうすればよいですか?Nays2DH対応版: iRIC 3.x背景画像地図不具合バージョン参考
iRIC 3.0.19 リビジョン 6747 以前で、Open Street Map と国土地理院地図が表示されなくなる不具合が発生していました。原因は iRIC が地図表示に使用している外部 Web サービス側の変更で、iRIC 3.0.19 リビジョン 6750 で修正されています。同じ症状が出る場合は、まず iRIC を 3.0.19 リビジョン 6750 以降に更新してください。なお、地図タイルは外部サービスに依存しているため、その後も表示が変わる可能性があります。
上流端から供給する土砂量を、他のモデルの計算結果などをもとに任意に設定できますか?Nays2DH境界条件供給土砂量ソースコード河床変動参考
iRIC の GUI から Nays2DH の上流端供給土砂量を時系列などで任意に与える機能は用意されていません。対応方法としては、Nays2DH の Python 版の解説とソースコード(i-ric.org/yasu/nbook2/ で公開)を利用し、上流端の流砂量の境界条件部分をコードで自由に調整する方法が案内されています。また、iRIC-UC 会員向けの有料サポート(uc.i-ric.org)で個別に相談することもできます。
掃流砂・浮遊砂別ではなく、粒径別の流砂量を出力できますか?Nays2DH出力流砂量混合粒径河床変動参考
現在のところ、Nays2DH には粒径別の流砂量を出力する機能はありません。出力されるのは掃流砂・浮遊砂といった区分の流砂量までです。粒径別の値が必要な場合は、ソースコードを改変して独自に出力を追加する必要があります。
河川横断測量データがなく、DTM や左右岸・中心線に沿った標高点しかない場合でも Nays2DH で解析できますか?Nays2DH地形データ点群データインポートDTM参考
地形データとして x, y, z の点群データがあれば計算は可能です。DTM から作った標高点や、岸線・中心線に沿った標高点も、x, y, z 形式のテキストファイルに変換すれば iRIC にインポートできます。手順は、オブジェクトブラウザの「地理情報」→「地形高」を右クリックし、「インポート」→「点群データ」を選ぶ方法です。横断線に沿っていない線状のデータも、点群として扱えば読み込めます。インポート後に格子を作成して計算に進んでください。QGIS で作成したデータについては、シェープファイルなどであればインポートできます。
出典:forum/河川測量データのない海外の小河川の分析につい/forum/adding-topo-data-of-a-river-as-lines-along-left-bank-and-right-bank-2/
固定床の水路に一定の厚さで砂を敷いた状態を再現したい。固定床高さを移動床の地形高とは別に設定するにはどうすればよいですか?Nays2DH固定床地形高地理情報計算条件参考
固定床高さを地形高(移動床の高さ)とは別に与えるには、次の 2 段階の設定が必要です。
- オブジェクトブラウザの「地理情報」で「固定床高さ」の地形データを読み込み(またはポリゴンなどで作成し)、格子にマッピングする
- 計算条件の設定の「ソルバータイプ」の一番下にある固定床高さの与え方で、「固定床高さのデータを有効にする」を選択する
これにより任意の固定床高さを指定できます。多機能格子ツールで水路を作ると地形高には自動で勾配がつきますが、固定床高さは別途データとして与える必要があります。
横断測量データではなく点群データから格子を作る場合、格子生成アルゴリズムは何を選べばよいですか?Nays2DH格子生成点群データ格子生成アルゴリズム格子参考
点群データをインポートしたあとに「ポアソン方程式を解いて格子を作成」を選ぶと「横断測量データが見つかりません。中心線を自分で定義してください」と表示されますが、そのまま OK を押して中心線を引き、「左岸線・右岸線の生成」で岸線を作成し、「格子生成」で格子を作る手順で問題ありません。Nays2DH は構造格子を使うモデルなので、どのアルゴリズムで作成しても四角形の格子であれば計算できます。ただし、極端に変形した格子は計算精度が低下するため注意してください。格子の作り方については iRIC サイトのダウンロードページにある資料(iRIC notes)も参考になります。
現況河道と計画河道で下流端付近の地形は同じなのに、下流端水位が 1〜2 cm 違います。計算誤差でしょうか?Nays2DH境界条件下流端水位等流計算勾配参考
計算条件の設定で、下流端水位を決める等流計算に使う勾配を「自動で計算する」にしている可能性があります。この設定では与えられた初期地形から勾配を算出するため、上流側の断面を変更しただけでも計算される勾配がわずかに変わり、その結果として下流端水位が変化します。現況と計画で下流端水位を揃えたい場合は、勾配を自動計算ではなく数値で直接与える設定にすると解決すると考えられます。
一部にだけポリゴンで固定床高さを設定したのに、格子全体が固定床高さ 0 m になり、地形高で作った窪みの挙動も予想と違います。固定床高さのマッピングはどういう仕様ですか?Nays2DH固定床地理情報マッピング河床変動参考
固定床高さの扱いには次のルールがあります。
- 地理情報のマッピングでは、ポリゴンを設定していない空白部分には各項目の初期値(固定床高さなら 0 m、固定床と移動床なら移動床、マニング粗度なら 0.03 など)が入ります。
- 一部にでも「固定床高さ」が設定されていると、「固定床と移動床」の設定に関わらず全体が固定床高さを持つ扱いになり、明示的に設定していない部分には固定床高さの最大値が入ります。
- 「地形高」が「固定床高さ」より低い場所では、その部分の固定床高さは地形高の値に更新されます。ただしこの更新はプリプロセッサの「格子点の属性」→「固定床高さ」の表示には反映されません。
そのため、上流端だけに固定床高さ 0 m を与えたケースでは、ほぼ平らな 0 m の固定床(窪み部分だけ地形高まで低い)の上に勾配のついた移動床が載った状態として計算されます。一部だけを固定床にしたい場合は、この仕様を踏まえて固定床高さを全域で意図した値に設定してください。
Nays2DH の計算結果を CGNS ファイルとして出力し、EvaTRiP などの入力に使うにはどうすればよいですか?Nays2DH出力CGNSエクスポートEvaTRiP参考
計算結果のエクスポートメニュー(VTK、CSV、tpo、シェープファイルなど)には CGNS の項目がありませんが、プロジェクトをフォルダ形式で保存すると CGNS ファイルが得られます。手順は次のとおりです。
- 左上の「ファイル」メニューを開く
- 「名前を付けてプロジェクトを保存」を選ぶ
- 保存先として空のフォルダを選択する
保存したフォルダ内に Case1.cgns が出力されるので、これを EvaTRiP の入力ファイルとして読み込んでください。
河床変動計算で粒度分布を与える領域を 10 個より多く設定できますか?Nays2DH混合粒径粒度分布河床変動計算条件参考
現在の仕様では、粒度分布を与える領域は最大 10 個までで、それ以上に分割して設定することはできません。10 個を超える区分が必要な場合は、粒度分布の似た領域をまとめるなどして 10 個以内に収める必要があります。
河床材料を混合粒径にすると、均一粒径では起きない非現実的な深い洗掘(10 m など)が局所的に発生します。原因として何が考えられますか?Nays2DH混合粒径河床変動洗掘粒度分布参考
現地の河床材料の粒度分布は、平面的にも深さ方向にも異なります。混合粒径で異常な洗掘が起きる場合、粗粒化しているべき場所に粗い材料が正しく与えられていない、あるいは実際には存在しないはずの細粒分が河床の深さ方向に与えられていて侵食が止まらない、といった可能性が考えられます。土質試験の結果をそのまま全域・全層に適用するのではなく、粒度分布の空間分布や深さ方向の層構成を見直し、条件を変えて試算してみてください。